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第2回セミナー@金沢

日本心理学会 幼児言語発達研究会 主催
第2回 セミナー「言語発達研究の方法論」

幼児言語発達研究会では,「言語発達研究の方法論」というテーマでセミナーを開催致します。当日は,3名の登壇者に話題提供を頂き,徹底的に議論を深めます。なお,参加は,会場の関係で事前登録制(先着順)にさせていただきます。皆さんのご参加,お待ちしております。

  • 日時  2014年 12月 20日(土) 13:30 〜 18:00
  • 場所  金沢市近江町交流プラザ 研修室2
    (石川県金沢市青草町88番地 近江町いちば館4階)[HP]
  • 話題提供のスケジュール
  1. 13:30 − 14:40 宮田Suzanne (愛知淑徳大学 健康医療科学部)
    「CHILDESを使用した研究の今とこれから」
  2. 15:10 − 16:20 岡 夏樹(京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科)
    「言語発達シミュレーションからのアプローチ」
  3. 16:20 − 17:30 南 泰浩(電気通信大学 大学院情報システム学研究科)
    「大規模データ解析からのアプローチ」
  4. 17:30 − 18:00 全体討議
  • 参加登録:以下のサイトより登録をお願いします。登録の際には,
    Facebook, Twitter, Mixiのいずれかのアカウントが必要となります。
    http://www.zusaar.com/event/11767003
  • オーガナイザー:  三浦優生(金沢大学),小林哲生(NTT)
  • 問合せ先:  小林:  kobayashi.tessei@lab.ntt.co.jp

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  • 発表要旨
  • 「CHILDESを使用した研究の今とこれから」
    宮田Suzanne (愛知淑徳大学 健康医療科学部)
    今までのCHILDESを使用した言語発達研究は語彙や音声、活用や文構造、会話やナラティブなど様々な分野に渡っている。本講演では代表的な研究をピックアップし、データの解析の仕方にフォーカスを当てる。基本的な解析ツールを紹介し、4パターン(具体的なもの、抽象的なもの、ないもの、ものとものの間の関連)の研究に合った解析方法を紹介する。
  • 「言語発達シミュレーションからのアプローチ」
    岡 夏樹(京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科)
    本発表では、幼児の言語発達の仕組みの計算機シミュレーションによる構成的解明を目指す研究の事例紹介をしつつ、構成的解明という方法論の意義や課題・限界について考えてみたい。言語発達のような複雑な過程を、物理現象の記述のように数式で簡潔に表現することはできそうになく、また、行動実験・観察から言語発達の内部メカニズムを推定することも簡単だとは思えない。脳科学の知見もまだ直接的な証拠を提供するものではない。このような状況では、「モデルを記述しただけでは予想しにくい動作結果を、計算機上で動かしてみることにより観察し、人を対象とした実験・観察による記述的アプローチにより得られた知見と、シミュレーション結果との差異を小さくするようにモデル構築を繰り返すアプローチ」の存在意義があると思う。また、計算機シミュレーションを目指すと、定量的で詳細な記述が求められ、これが研究者の考えを整理し、研究を進める力となりえる。さらに、言語発達シミュレーションでは、作って、人との関わりの中で動かしてみて初めて気づくことが多々ある。知能の原理の解明を目指す上で、どの記述レベルで人と一致することを目指すかについても議論したい。
  • 「大規模データ解析からのアプローチ」
    南 泰浩(電気通信大学 大学院情報システム学研究科)
    本講演では,大規模データ解析を用いて幼児の語彙 獲得現象を分析した例を示しながら,この分野における,このアプローチの 有効性について議論する.特に,ここでは,研究の方向性を探るための有効性ついて述べる.さらに,大規模データ解析を利用した研究で講演者が,これまで考えてきたこのアプローチの課題についても議論する.また,言語発達の分野に有用と講演者が考える大規模データ解析を用いた他の研究についても紹介する.